成年後見制度と何かをやさしく解説

岡山市で葬儀・家族葬をお考えの方へ

みなさん、こんにちは。
家族葬のファイングの石田信也です。

今回のコラムでは『成年後見制度』についてご説明していきたいと思います。

【令和7年8月25日(月)】

成年後見制度って何？

私たちの生活の中では年齢を重ねたり病気をしたりすることで、判断する力が弱くなることがあります。例えばお金の管理が難しくなったり、悪い人から不当な契約を迫られても断れなくなったりすることがあります。こうしたときに本人を守るための仕組みが成年後見制度です。

成年後見制度とは、認知症や知的障害、精神障害などにより判断能力が十分でない人を、法律に基づいて支える制度です。家庭裁判所が選んだ後見人が、本人に代わって必要な手続きを行ったり、生活を守るための支援をしたりします。この制度を利用することで、本人の権利を守りながら安心した暮らしを続けることができます。

成年後見制度には大きく分けて二つの種類があります。ひとつは法定後見制度、もうひとつは任意後見制度です。法定後見制度はすでに判断能力が不十分になっている場合に家庭裁判所へ申し立てをして利用するものです。一方で任意後見制度は、将来の備えとしてまだ判断能力がしっかりしているうちに信頼できる人を自分で決めておく制度です。

法定後見制度はさらに三つに分かれています。補助保佐後見という三つの類型で、本人の判断能力の状態に応じて内容が異なります。補助は判断能力が少し不十分な場合に限定的に助けてもらう形です。保佐はより支援の範囲が広がり、重要な契約などを後見人と一緒に行います。後見は判断能力がほとんどない場合で、財産の管理や生活に関わる多くのことを後見人が行います。

任意後見制度では、将来の安心を考えてあらかじめ契約を結び、公正証書にしておくことが必要です。本人の判断能力が低下したときに家庭裁判所が監督人を付けて制度が開始されます。信頼できる人に自分の将来を任せられるという点で、計画的に準備したい方に向いています。

この制度を利用することで本人だけでなく家族の負担も軽くなります。例えば入院や施設入所の契約、銀行での手続き、不動産の管理や売却などは判断能力が不十分だと難しくなりますが、後見人がいれば安心して進められます。また悪質な業者による詐欺から本人を守る役割もあります。

成年後見制度は本人の意思を尊重することが大切にされています。後見人がすべてを勝手に決めるのではなく、できる限り本人の希望を取り入れながら生活を支えます。法律で定められた仕組みなので安心感がありますが、同時に利用には家庭裁判所への申し立てや費用がかかることも知っておく必要があります。

これからの社会では高齢化が進み、成年後見制度の重要性はますます高まります。誰もが将来関わる可能性がある制度なので、まずは制度の内容を知っておくことが安心につながります。もし身近に判断能力に不安を感じる方がいるときや、将来に備えたいと考えるときには、一度専門家や家庭裁判所へ相談してみることをおすすめします。

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