岡山市で葬儀・家族葬をお考えの方へ
みなさん、こんにちは。
家族葬のファイングの『岡山市市民後見人』石田信也です。
今回のコラムでは『家庭裁判所と上手に関わるために知っておきたいこと』についてご説明していきたいと思います。
【令和7年１１月１３日(木)】
家庭裁判所と上手に関わるために知っておきたいこと
成年後見制度を利用していると、家庭裁判所という言葉を耳にすることが多くなります。
しかし「裁判所」と聞くと、少し身構えてしまう方も多いのではないでしょうか。
実際のところ、家庭裁判所は特別な人だけが利用する場所ではなく、成年後見制度を安心して続けるために家族を支える重要な存在です。
家庭裁判所は、成年後見人を選任するだけでなく、その後も後見人の活動を見守る役割を担っています。
たとえば、後見人は一年に一度、本人の財産の状況や生活の様子を「後見事務報告書」として家庭裁判所に提出します。
これは後見人の仕事を確認するための大切な報告であり、裁判所は内容をチェックして、必要があれば指導や助言を行います。
つまり、家庭裁判所は後見人を監督する立場であり、家族が安心して制度を利用できるように見守っているのです。
家族が覚えておきたいのは、家庭裁判所は「相談できる場所」でもあるということです。
もし後見人の対応に不安を感じたとき、直接本人や後見人と話してもうまくいかない場合は、家庭裁判所に相談することができます。
たとえば「後見人が説明してくれない」「本人の生活費の使い方が心配」など、家庭裁判所は中立の立場から状況を確認し、必要に応じて後見人へ指導を行います。
感情的なトラブルになる前に、冷静に話を整理してくれる存在として頼ることができます。
また、家庭裁判所には「後見監督人」という制度もあります。
後見監督人は家庭裁判所が選任し、後見人の業務が正しく行われているかを定期的に確認します。
家族が遠方に住んでいたり、後見人と関わる機会が少ない場合でも、後見監督人の存在があることで安心して制度を続けることができます。
注意しておきたいのは、家庭裁判所は後見人の代わりに具体的な判断や手続きをしてくれるわけではないという点です。
たとえば「どの施設に入所するか」「どのような医療を受けるか」などは、後見人が本人の利益を考えて決める内容です。
家庭裁判所はその判断が適切かどうかを見守る立場であり、すべての判断を肩代わりするものではありません。
そのため、家族としては「何でも裁判所にお願いすればいい」というよりも、「困った時に相談できる味方」として考えると良いでしょう。
家庭裁判所とのやりとりは書類が中心になりますが、分からないことがあれば遠慮なく問い合わせることができます。
電話や窓口で丁寧に説明してくれる場合も多く、難しい言葉や手続きを一緒に確認してもらえます。
また、地域によっては無料の法律相談や後見制度の説明会を行っているところもあります。
こうした機会を活用することで、制度への理解を深め、より安心して本人を支えることができます。
成年後見制度は、家庭裁判所、後見人、そして家族がそれぞれの立場から協力し合うことで成り立っています。
家庭裁判所は決して遠い存在ではなく、本人の暮らしを守るための「見守り役」です。
分からないことや不安なことがあれば、一人で抱え込まず、裁判所や専門家に相談することで、制度をより安心して利用することができます。
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