岡山市で葬儀・家族葬をお考えの方へ
家族とはじめる終活
終活カウンセラー 川上 恵美子
みなさん、こんにちは。
家族葬のファイング、終活カウンセラーの川上恵美子です。
これまでのコラムでは、「自分の終わりを考えること」や「老前整理」についてお伝えしてきました。葬儀の現場でご遺族と向き合う中で強く感じるのは、元気なうちからご家族と話し合っておくことの大切さです。今回のテーマは「家族とはじめる終活」。岡山で暮らすみなさまにとっても、これからの人生を安心して過ごすために欠かせない大切な視点です。
人はいつか必ず「死」を迎えます。しかし、以前の日本社会では「死」を考えることは「縁起でもない」とされ、日常の中で語ることは避けられてきました。その背景には、家族や親族、地域社会との強い信頼関係がありました。もしものことが起きても「何かあれば私たちに任せておきなさい」という安心感があったのです。葬儀や供養も、家族や地域の人たちが自然と手を差し伸べてくれる社会だったのです。
しかし現代は大きく変わりました。超高齢化、核家族化、地域のつながりの希薄化が進み、「縁起でもない」と支えてくれる人が少なくなりました。その結果、多くの人が「家族に迷惑をかけたくない」と思うようになり、以前のように「死」を考えずに済む時代から、しっかり向き合い準備を進める必要がある時代へと移り変わったのです。
ここで大切なのは、「終活」を決して一人で抱え込まないことです。自分のため、そして家族のために取り組む「終活」は、信頼できる人たちと一緒にはじめることが大切です。岡山市で葬儀や家族葬をご相談される方々にもお伝えしているのは、「家族とはじめる終活」という考え方です。
この「家族」とは血縁だけに限りません。ご自身が信頼できる人──たとえば友人、ご近所の方、かかりつけの医師や看護師、ホームヘルパー、地域の民生委員、そして終活カウンセラーなども含まれます。まるで「もうひとつの家族」のように頼れる人たちと一緒に話し合うことが、これからの時代の終活には欠かせません。
漠然とした不安を抱えたままでは、心が落ち着きません。だからこそ元気で余裕のあるうちに、具体的な対策を知り、どうすれば気持ちよく支え合えるのかを考えておく必要があります。葬儀や供養の方法、介護や医療の希望、財産や遺品の整理──どれも「もしもの時」に急に決められることではありません。事前に準備しておくことが、本人の安心にも、残される家族の心の支えにもなるのです。
また、相談することは一方的なものではありません。相談を受ける側も、いつか必ず相談する側になります。だからこそ地域社会全体で「気軽に相談できる場」を広げていくことが求められています。「終活」は自分の人生を見つめるだけでなく、「お互い様」の気持ちを通じて新しいつながりを生み出す機会でもあるのです。
岡山での葬儀や家族葬を考えるとき、「終活」は決して特別なことではありません。自分と大切な人が安心して暮らすための、日常的な備えなのです。家族と語り合い、信頼できる人と手を取り合いながら、一歩ずつ準備をはじめてみましょう。
次回は「地域とのつながり」についてご紹介いたします。
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